「1年後の君は、今日始めておけばよかったと思っているかもしれない。」
(カレン・ラム / 英国の作家)
「副業を始めたい。」
そう思う理由を聞かれたら、多くの人は「もう少し収入を増やしたいから」と答えるでしょう。
生活を少し楽にしたい。
趣味へ使えるお金が欲しい。
将来のために貯めたい。
それは、間違いなく本音です。
ただ、その奥には、もう一つの不安があるのかもしれません。
会社はありがたい。
毎月、決まった日に給料が振り込まれ、社会保険もある。
仲間と働けて、自分一人では関われない大きな仕事もできます。
会社を辞めたいわけではない。
それなのに、ふと考えてしまうことはありませんか?
この会社がなくなったら。
今の肩書きがなくなったら。
毎月の給料が止まったら、私は会社の外で、誰かから1万円を受け取れるだろうか。
会社の安定は欲しい。けれど、人生のすべてを一社へ預けるのは怖い。
この二つは、矛盾していません。
欲しいのは、選択肢
副業をしたい会社員が、全員独立を望んでいるわけではありません。
今の仕事を続けながら、会社の外にも小さな道を一本持っておきたい。
何かが起きたとき、「ここで終わり」ではなく、「次はどうしようか」と考えられる自分でいたい。
つまり、
本当に欲しいのは会社を辞める勇気ではなく、
会社にいても、外へ出ても、自分で選べる感覚なのではないでしょうか。
自立とは、
誰にも頼らず、何もかも一人で抱えることではありません。
会社、顧客、技術、貯蓄、仲間、小さな事業。人生を支える柱を少しずつ増やし、一つが揺らいでも、別の選択肢を持てることです。
会社の外で
会社員として働いていると、自分の仕事と給料が直接つながっているように見えます。
仕事をして、月末になれば給料が入る。
ところが、その間には会社が引き受けてくれている、たくさんの仕事があります。
会社は、お客様を見つけ、商品を創り、値段を決め、契約し、請求し、お金を回収します。
そこから経費を払い、残ったお金の中から給料を振り込んでいる。
私たちは自分の技術や時間を提供していますが、その価値がお金へ変わるまでの流れは、会社が創ってくれているのです。
会社の外で最初の1万円を得ようとすると、今まで見えていなかったことが一気に現れます。
誰の役に立つのか。
その人は何に困っているのか。
何を商品として渡すのか。
いくらなら買ってもらえるのか。
どこで知ってもらい、どう届けるのか。
ここで初めて、仕事がデキることと、自分でお金を生み出せることは別だったと気づきます。
文章を書けることも、動画を編集できることも、AIをツカエルことも、立派な能力です。
ただ、能力があるだけでは、誰が、何のために、いくら払うのかは決まりません。
スキルがあること。
そのスキルに市場価値があること。
実際に売れること。
そして、売ったあとに利益が残ること。
この四つは、すべて別の話です!!!
だから、会社の外で稼ぐために必要なのは、資格をもう一つ増やすことだけではありません。
自分の能力を、誰かの困りごとを変える「売るモノ」へ変え、必要な人と出逢える「売る場所」を持ち、その価値が伝わる「売り方」を創ることです。
最初から一流?
副業を考えると、月10万円、月30万円、いつか独立と、いきなり大きな目標を立てたくなります。
サイトを作り、SNSを毎日更新し、YouTubeも始め、商品も複数用意する。
始める前から、もう忙しい。
最初に確かめたいのは、もっと小さなことです。
会社の外で、自分が創った価値へ、一人がお金を払ってくれるか。
一人の悩みを決め、その悩みを少し変える商品を創る。
自分で価格を決め、自分のコトバで説明し、実際に届けて、お金を受け取る。
この一周には、金額以上の意味があります。
会社の名前ではなく、自分の提案が選ばれた。
自分の経験や能力が、誰かの役に立った。
そして、その価値とお金が実際に交換された。
会社の外にも、自分とお金をつなぐ道を一本創れたという証明です。
第二の会社にしない
会社だけに頼るのが怖いからといって、仕事を三つも四つも増やせば、安心まで増えるとは限りません。
昼は会社で働き、夜は制作をし、朝は連絡を返し、休日は発信と納品に追われる。
これでは、収入源を増やしたのではなく、自分の中に第二、第三の勤務先を創っただけです。
依存先を分散するために、疲労源まで増やしてはいけません。
副業で過重労働になり、本業や体調へ影響が出る人もいます。
仕事の数を増やすより、一つの価値、一人のお客様、一本のお金の流れを、小さく回せるカタチにすることが先です。
副業とは、
本業のあとに我武者羅な労働を追加することではありません。
会社の外にも、自分で価値を届けられる小さな仕組みを創ることです。
副業したい会社員が本当に欲しいものは、副収入だけではないのかもしれません。
欲しいのは、退職ではない。
選択肢です。
欲しいのは、いきなり大きな独立ではない。
会社があっても、なくても、自分で次の一歩を創れるという自信です。
ただ、人生のハンドルを全部、会社へ預けなくてもいい。
あなたは会社の外で、誰のどんな困りごとを、1万円分変えられますか。
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